ほぼ月刊 社長通信!

[連載第1回 2015年 6月号]

ドイツワインを愛するみなさまへ

いつもお世話になっております!!
ヘレンベルガー・ホーフ(株)の山野高弘です。

4月から代表となりもう2か月が経過しました。社長になって大きく変わったのは、
時間の感覚です。一週間があっとも言わないうちに終わってしまう感覚で、

本当に一日一日を大切に過ごさなければと思います。

さて弊社が愛してやまない醸造家、ベルンハルト フーバーさんが亡くなられて

もうすぐ1年が経とうとしています。昨年6月11日でした。私が彼のところで
お世話になったのは2001年から2002年の2年間。ドイツ語はおろかワインのこと
すらよくわかっていない状態の私に温かくも厳しい指導をしてくださいました。

最近はもう真夏のような暑さになる日もありますが、6月になると思いだすのは

畑での不要な新梢を伐採する作業です。北国ドイツですが、夏になると直射日光の
下では畑の気温は40度近くになることも稀ではありません。そんな時の唯一の
救いだったのが、休憩時間に楽しめるきりりと冷やしたミュラー・トゥルガウ 1L ボトルを、
同じく冷えた炭酸で割る「ショーレ」という飲み方でした。下の写真みたいに
みんなで1Lボトルを掲げてぐびぐび飲むんです。
 M-Th
ところがなんと、このミュラートゥルガウ1Lは実はもうドイツでは絶版になっており、
今では飲めるのは日本だけとなっています。もともとは近くのレストランや従業員の方向けに
造っていたワインでしたが、ピノ・ノワールの成功により「100%ピノ・ノワールだけにする!!」と
本気で決意していたフーバーさんは、当時白ぶどうをどんどん引っこ抜いており、
その矢面に立たされていたかわいそうな品種がこのミュラー・トゥルガウでした。

奥さんのバルバラさん、そして日本の私たちの「たくさんのファンがいるワインだから
ぜひ残してほしい!!」という願いをかなえてくれて、今でも日本にだけは
この規格のまま輸出されています。国内ではほんの少量750mlが売られているのみです。

ご存じの方もおられるかと思いますが、ミュラー・トゥルガウというのは多産型の品種。
つまり量を採ってなんぼの品種なのですが、完全主義者のフーバーさんはこの品種にも
妥協することなく、他の品種と全く同じ低収量にて収穫しています。さらに圧巻なのは7月に行う
房を半分にする作業をこの品種にも行っていること。この作業を夏にすることによって
収穫前には粒がほんの少し重力で下に垂れ下がり、顆粒の間に隙間ができるため
風通しがよくなり、病害に侵されにくくなります。そのことによって最終的には生成りの時間が
長くなり、より土壌の味わいをしっかりと表現できるワインとなります。
こんなにしっかりと余韻のあるミュラー・トゥルガウは生真面目な彼の人格が
そのまま反映されているかのようです。

全世界で飲めるのは日本だけ!!

 
Huber Mueller-Thurgau 1L フーバー ミュラー・トゥルガウ1L
本体価格3,200円(税別)
ぶどうの風味が生きている、ぐびぐび飲める1Lボトル
 
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