ユルゲン・ライナー醸造所

ドイツワイン産地で若手醸造家の活躍が光る南ファルツ。その中でも一際注目を浴びているのが、
ユルゲン・ライナー醸造所です。1978年創立、当主は2代目の、まだ30代前半のスヴェン・ライナーさん。

 

家族経営の醸造所で、畑は14haのみですが、こちらの醸造所の特徴はなんといってもdemeterの認証も得ている
こだわりの有機栽培です。肥料をこしらえる際に勧められたビオの調合剤がうまく適用したのをきっかけに、
2003年から有機栽培に転向。今では毎年1000tもの有機肥料を自分でこしらえ、馬の堆肥や木の枝、
ぶどうの絞り滓、花崗岩を粉砕した粉、オークを粉砕した粉などを牛の頭蓋骨に詰めて湿気の多いところに
埋めて1年間熟成させ、畑に撒きます。

畑には益虫の喜ぶ雑草を20種類ほど生やし、緑化にも励んでいます。
また、醸造に関しても収穫したぶどうを破砕機にいれずに足で踏んで、破砕することによって、
茎の味が出ないナチュラルなテイストになり、また自分で踏むことによって自らの感覚でワイン造りができることも
メリットになっています。

 

 

醸造所のモダンな色合いはスヴェンさんの好きなパーソナルカラーでもあるオレンジ色。
また、特徴的なエチケットにオレンジ色で描かれているのは、畑の害虫を駆逐してくれる益虫と、
全ての工程において「手作業」であることの象徴である指紋です。

2010年のエチケットはさらにこのエチケットに黒い点々が・・・
こちらは2010年の雹害を表しており、大きく被害があったものの、
周りの方々の多大な協力があったことにより、無事にリリースできたことを
エチケットに残しておきたかったそうです。

白ワインを中心に生産していますが、リースリングやグラウアーブルグンダーを中心とする
ドイツでも栽培が盛んな品種から、テンプラニーニョやカベルネソーヴィニョンといった
ドイツでは珍しい国際品種まで、枠に囚われないワイン造りを行っています。

有機栽培を通して、「健全な造りをし、ヴィンテージと品種と畑の特徴をキレイに表現したい」
という思いを掲げ、新たな挑戦をし続けるライナー醸造所から、目が離せません。

 

 

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