ゲオルグ・ブロイヤー

ほんの百年ほど昔。世界で最も高価とされていたワイン。
それはボルドーでもブルゴーニュでもありませんでした。
当時世界中で愛されてやまなかった、食事によく合う最高の辛口ワイン、
それはドイツワインの聖地ラインガウリースリング種を使った
辛口白ワインであった史実をご存知でしょうか。
その復権に真剣に取り組んだのが、ベルンハルト・ブロイヤーさん。
2004年5月20日に急逝した氏の遺志は、 若き現当主テレーザ・ブロイヤーさんに
見事に引き継がれ、「ドイツワインの復興」という壮大な夢は、
着実に実を結ぼうとしています。

 

テレーザ・ブロイヤーさんは、なんとまだ20代!  急逝なされた父ベルンハルトさんの跡を継いで
当主になったのは、二十歳のころでした。醸造所をきりもりしながら醸造大学に通い、2007年に卒業。
周りの方々と共に力を合わせ、「ゲオルグ・ブロイヤー醸造所」の名前を
世界にとどろかせています。

 

ブロイヤーさんが所有する畑のほとんどが、断崖絶壁の急斜面! 中でもブロイヤーさんの看板でもある
特級畑「ベルク・シュロスベルク(写真)」は最大斜度は60度を越えます。
真南向けで日当たりもよく、ライン河の照り返しを全面に受ける最高条件の畑です。
ここ数年、有機栽培の方にも力を入れており、粘板岩の風化土壌をしっかりと耕し、
ハーブや雑草などを植えて緑化にも努めています。断崖絶壁でのこのような作業は、
もちろんとても重労働で、とても珍しいケースでもあります。

 ワイングート ゲオルグ・ブロイヤーの最大の持ち味はなんと言ってもリースリング種を100%使用した
力強い辛口ワイン。粘板岩土壌からくるミネラルを十分に吸収し、爽やかながらも1本芯のある
ドライな味わいに仕上げています。また、選果にもこだわりがあり、少しでも過熟してしまった
ぶどうは、収穫の際に厳しくジャッジし、すべて捨ててしまいます。ブロイヤーさんのワインの爽快で
鮮烈な酸味はフレッシュなぶどうのみを使用したこだわりからくるものです。

辛口リースリングの復興を掲げるブロイヤーさんは、
リースリングワインを、従来のドイツの複雑なワイン法に全くとらわれることなく、
独自の4つのカテゴリーにクラス分けしています。
(実際はシュペートレーゼ以上の果汁が使用されているにもかかわらず、
シュペートレーゼ等の記載はなく、全てQ.b.Aの表記となっています。)

裏のラベルに小さく書かれたローマ数字がそのクラス分け。Ⅰ~Ⅳまであって、
数字が少なくなるほどクラスが上がります。

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